

Green Sandwich House
1970年代住宅の改修
Green Sandwich House
1970年代住宅の改修
神奈川県・葉山、旧東伏見宮ゆかりの別邸エリアの背後に広がる高台の住宅地は、1970年代後半の宅地化以降、地区計画によって景観と住環境が守られてきた場所である。1970年代後半に建てられたこの住宅を購入し、自邸として引き継ぐにあたり、私たちは解体・新築ではなく、耐震補強を伴う改修を選択した。この地域が持つスケールや空気感を受け継ぎながら、良好な状態にあった既存躯体のポテンシャルを読み取り、空間構成や素材の選択によって新たな息を吹き込むことで、建築として更新しながら継承したいと考えた。
所在地
神奈川, 日本
用途
住宅
施工
6月, 2025年






自邸として、仕事と生活が日常的に重なり合う暮らしを目指し、機能ごとに部屋を明確に分けるのではなく、吹抜けのリビングを中心に、キッチンやパントリー、土間、書斎を緩やかにつなぎ、仕事と趣味、日常が自然に行き来できる構成とした。また、自然豊かな葉山の環境に呼応し、暮らしとともに穏やかに変化していく住まいを目指している。










キッチンや洗面には人研ぎ仕上げの造作カウンターを設け、旅先で集めた石を散りばめることで、空間にささやかな個性を添えた。床にはオーク無垢材、壁には漆喰左官を用い、既存の柱や梁を活かした骨格に対し、新たに加えた要素が静かに重なるよう、素材や色味は温かみのあるものを選定している。







空間の境界には壁ではなく、光や視線、素材の変化、そして可動性を持つ要素を用いた。大開口や土間の仕切りには、テキスタイルデザイナー・庄司はるか氏によるオリジナルカーテンを採用し、周辺環境や時間帯によって空間の表情が変化する装置として位置づけている。





光や緑、季節の移ろい、そして日々の営みが重なりながら、この住まいは少しずつ姿を変えていく。そうした変化を受け入れ、時間とともに深まっていく過程そのものが、住まい手であり設計者でもある私たちにとって、この自邸をかたちづくっている。









Before
リノベーション前の様子1970年代後半の住宅を購入した時点の記録。在来木造の骨格に大きな劣化はなく、解体せず耐震補強を伴う改修を選択した。












Information
- 竣工:
- 2025
- 用途:
- 住宅
- 所在地:
- 神奈川県葉山町
- 構造:
- 木造
- 主な仕上げ:
- 床・オーク無垢材/壁・漆喰左官/造作カウンター・人研ぎ
- 敷地面積:
- 271.18㎡
- 延床面積:
- 106.2m²
- 施工:
- 出口建具店
- テキスタイル:
- 庄司はるか
- 撮影:
- 青木克洋